隣の越境物で後悔しないための
プロが教える交渉術5つの鍵
正直、見つけちゃったでしょ?
土地探し、お疲れ様です。ネットで理想の土地を見つけて、いざ現地へ。
「お、ここ良いじゃん!」って思ったら、なんだか隣の家の木の枝が自分の敷地に伸びてる…?
いや、もっとよく見たら、屋根の一部が、うちの敷地に入り込んでるじゃん…!
不動産屋に聞いたら「あー、それですか。覚書があるんで、大丈夫ですよ!」って、笑顔で言われたけどさ。
その「大丈夫」、誰のための「大丈夫」ですか?
健太(仮名)、君も今、まさにそんな状況で、
「この土地、いいんだけど越境物がな…」「覚書って本当に効力あるの?」「将来建て替えするときに絶対揉めるでしょ…」って、頭を抱えてるんじゃないかな?
焦る気持ち、すごくよくわかるよ。
一生に一度の大きな買い物で失敗したくない。でも、不動産屋は早く決めろって急かしてくるし、
何が正解なのか、誰を信じればいいのか、わからなくなってるよね。
でも大丈夫。俺の25年の大家としての経験と、数百人の入居者から聞いた「生の声」を元に、
その不安を「安心」に変える具体的な交渉術と法的解決策を、今から包み隠さず伝えるから、安心してくれ。
その「覚書があるから大丈夫」、本当に大丈夫? 不動産屋が言わない越境物問題の「本当のリスク」とは
健太、まず言っておきたいのは、不動産屋が言う「覚書があるから大丈夫」は、鵜呑みにしちゃダメってこと。 彼らは契約を成立させたいわけだから、往々にして楽観的な言葉を使いがち。 俺も長年、不動産投資で散々見てきた光景だよ。 でも、マイホームの土地探しは「利回り」だけじゃ測れない「家族の歴史」を刻む場所だ。 だからこそ、表面的な言葉じゃなくて、その奥に隠されたリスクをしっかり理解する必要があるんだ。
【大家のぶっちゃけ話】越境物、放置するとこんなに面倒くさい!
俺が昔、ある築古アパートを管理していた時の話なんだけどさ。 隣地のお庭の木が、アパートの敷地にかなり大きく張り出してて、ベランダに葉っぱが落ちてくるし、 ひどい時には枝が網戸を突き破って室内に入ってきたりしてたんだ。 入居者さんからは「日当たりが悪い」「カビが生える」「虫がわく」って苦情の嵐。 当時の売主からは「隣人とは良好な関係で、剪定も年に数回してくれてますよ」って聞いてたんだけど、 蓋を開けてみれば、剪定は年に1回あるかないか。
仕方ないから俺が隣地の方に直接お願いしに行ったんだけど、 「うちはもう年で、業者に頼むお金もないし、剪定なんて大変で…」って言われて、結局、こっちで業者を手配して剪定したんだ。 もちろん費用はこっち持ち。売買契約前にしっかり確認しなかった俺のミスだ。
こんな風に、越境物ってのは目先の不便だけじゃなくて、
- 将来の建て替えや増改築ができないリスク:建築基準法で定められた斜線制限や日影規制に引っかかって、思い通りの家が建たない、なんてことも普通にある。工事の足場が組めないとかね。
- 土地の利用価値が制限されるリスク:越境されている部分はその土地を自由に利用できない。せっかくの土地がもったいないよね。
- 隣人トラブルに発展するリスク:最初は穏便でも、世代交代したり、どちらかの状況が変わったりすると、急に揉め事が大きくなることがある。
- 資産価値の低下:越境物がある土地は、将来売却しようとした時に買い手が見つかりにくかったり、価格を下げざるを得なかったりする。
…と、デメリットだらけなんだ。 だからこそ、「覚書があるから大丈夫」という言葉の裏に隠されたこれらのリスクを、健太にはしっかり理解してほしいんだ。
土地探しで越境物を見つけたら? 購入前の交渉術「5つの鍵」で理想の土地を手に入れろ!
じゃあ、実際に越境物を見つけちゃったらどうすればいいのか? 焦る気持ちを抑えて、ここからが勝負だよ。 俺が25年の経験と、自分のマイホームを建てる際に実践した「失敗しない土地選び」の極意から編み出した、 「5つの鍵」を伝授しよう。 これを実践すれば、初めての土地探しでも、後悔しない選択ができるはずだ。
鍵1:「覚書」の徹底確認と法的拘束力の判断
まず、不動産屋が提示する「覚書」を徹底的に確認することから始めるんだ。
- 誰と誰の合意か?:覚書が現在の売主と隣地所有者の間で交わされたものなのか、それとももっと前の代で交わされたものなのか。
- 内容は明確か?:具体的にどの越境物について、どういう合意がされているのか。「越境を容認する」だけなのか、「〇年〇月〇日までに撤去する」と明記されているのか。
- 期間は?:有効期間が定められているのか、永続的なのか。
- 法的拘束力は?:一番重要だね。単なる口約束を文章にしただけなのか、それとも公正証書として作成されているのか。
【大家の体験談】
俺が自分の土地を探してた時も、同じような「覚書」付きの物件があったんだ。
「隣のフェンスが少し越境してますが、覚書があるので大丈夫です」って言われたから、その覚書を見せてもらったらさ。
日付は20年も前。内容は「お互い様ということで現状維持に同意する」の一文のみ。
しかも、署名捺印は当時の隣地のお爺ちゃんとお婆ちゃんだけ。
これじゃ、もしそのお爺ちゃんたちが亡くなって、息子さんや孫さんの代になったら、「そんな合意、知らん!」って言われても文句は言えない。
こんな曖昧な覚書は、時限爆弾だ。将来の隣地所有者にもその効力が及ぶようにするには、法的に有効な形で作り直すか、契約内容をしっかり盛り込む必要がある。
もし、覚書の内容が不明瞭だったり、法的拘束力が不十分だと感じたら、絶対に立ち止まるべきだ。
鍵2:隣地所有者とのコミュニケーションと合意形成
これが最もデリケートだけど、一番大事なステップかもしれない。 不動産屋を通じて、あるいは売主を通じて、隣地所有者と直接、あるいは間接的にコミュニケーションを取るんだ。
ポイントは、
- 敬意を払うこと:長年その土地に住んでいるのは隣地の方。いきなり「撤去しろ!」なんてケンカ腰は絶対にNGだ。
- 具体的な希望を伝える:「将来、家を建てる際に〇〇の部分が建築上問題になる可能性があるため、もし可能であれば…」といった形で、穏やかに相談のスタンスで。
- 譲歩の姿勢も示す:全てを相手に押し付けるのではなく、例えば「撤去費用は折半でどうでしょう?」とか、解決策を一緒に考える姿勢を見せる。
隣地所有者の意向を把握することが、解決への第一歩だ。 彼らが「もう木が大きくなりすぎて、剪定も大変で困ってたんだ」なんて思ってる可能性だってあるからね。
鍵3:専門家の活用(土地家屋調査士・弁護士)
健太、君はエンジニアだから、曖昧な状況を放置するのが嫌いなタイプだろう? この問題はまさに「明確化」が命なんだ。
- 土地家屋調査士:越境の正確な範囲を特定し、測量図に明記してもらう。目視だけじゃなくて、ちゃんと専門家にお願いして、客観的な事実を数字と図面で押さえるんだ。これが交渉のベースになる。
- 弁護士:法的なアドバイスをもらう。特に「覚書」の法的有効性や、今後の交渉でどういった言葉を使うべきか、最終的に公正証書を作成する際のアドバイスは必須だ。 「費用がかかるから…」って思うかもしれないけど、これは将来の大きなトラブルを未然に防ぐための必要経費だと考えよう。 小さな虫歯を放置して、最終的に神経を抜く大手術(高額な弁護士費用や裁判)になるよりは、早期の治療(専門家への相談)の方がずっと安く済むんだ。
鍵4:売買契約書への明記と停止条件の活用
隣地との合意ができたとして、その内容を必ず売買契約書に盛り込むこと。 そして、さらに強力なのが「停止条件」の活用だ。
- 越境物撤去の合意形成を停止条件とする:「〇年〇月〇日までに隣地所有者との間で越境物撤去に関する公正証書が締結されない場合、本契約は白紙撤回される」といった条項を盛り込む。
- 売主側の撤去義務を明記する:売主の責任で越境物を撤去し、引き渡し時には更地(越境物なし)の状態にすることを契約条件にする。
これは、売主に対して「この越境問題を解決しないと、この土地は売れないよ」という強いメッセージになる。 購入者側が主導権を握るために非常に有効な手段だよ。
鍵5:民法改正を理解する(枝葉の越境と工作物の違い)
ここからは、少し専門的な話になるけど、知っておくと交渉が有利に進むこともあるから聞いてくれ。
2021年に民法が改正されて、隣地から越境している竹木の枝については、隣地所有者に切除を求めても応じない場合、自分で切除できるようになったんだ(民法233条2項)。 これまでは、隣地所有者に切除義務はあったものの、勝手に切ったら器物損壊になる可能性があったから、自分で切ることはできなかったんだよ。
ただし、このルールは「木の枝」に限定される。 もし隣地の「屋根」や「塀」などの工作物が越境している場合は、この民法改正は適用されない。 その場合は、これまで通り隣地所有者との交渉が必要だし、最悪の場合は裁判ということになる。
だから、越境物が「木の枝」なのか「工作物」なのかで、アプローチの仕方も変わってくるってわけだね。
それでも隣人が応じない場合は?
残念ながら、交渉しても隣地所有者が越境物の撤去に応じてくれないケースもある。 そうなると、
- 購入を見送る:これが最も安全な選択肢かもしれない。問題のある土地を無理に買う必要はない。
- 価格交渉:越境物があるというデメリットを理由に、価格の大幅な値下げを交渉する。その上で、将来の撤去費用や弁護士費用などを考慮に入れる。
- 裁判外紛争解決手続き(ADR):弁護士会や司法書士会、国民生活センターなどで実施しているADRを利用する手もある。裁判よりも費用や時間がかからずに解決できる可能性がある。
これらの選択肢も視野に入れながら、冷静に判断することが大切だよ。
【まとめ】その不安、購入前に「安心」に変えよう!
健太、今回は隣地の越境物問題について、不動産屋の「大丈夫」を鵜呑みにせず、 君自身が主導権を握って解決するための5つの鍵を伝えたよ。
要点をまとめると、これだけ覚えておいてほしい。
- 「覚書」は法的拘束力を徹底確認!曖昧なものは時限爆弾。
- 隣人とのコミュニケーションは、敬意と解決への姿勢で。
- 土地家屋調査士と弁護士は「将来のリスク回避」への投資。
- 売買契約書に撤去義務や「停止条件」を盛り込み、主導権を握る。
- 民法改正で「枝葉」は自分で切れるが、「工作物」は別途交渉が必要。
土地の境界線は、未来の安心線なんだ。 表面的な「大丈夫」に惑わされず、自らの目と知恵で深く掘り下げて、本質的な安心と明確な合意を追求する姿勢は、不動産取引だけでなく、人生のあらゆる重要な意思決定で不可欠だよ。
「不動産屋はこう言います。でも、大家としての経験上、実際はこうです」
この視点があれば、初めての土地探しでも絶対に後悔しない選択ができる。
俺も52歳にしてようやく辿り着いた「失敗しない土地選び」の極意だから、自信を持って実践してほしい。
もし、今探している土地で越境物の問題が解決できそうにないなら、無理にその土地にこだわる必要はない。 もっと良い土地は必ず見つかるから。
健太、君の家探しが、最高のスタートを切れるように、心から応援しているよ。
【次のステップへ】 「もっとたくさんの理想の土地」に出会うために
今見ている土地で解決できない問題があるなら、
新しい視点で「理想の土地」を再検索するのも一つの手だ。
あなたの希望に合った土地情報を、
複数の不動産会社からまとめて提案してもらえるサービスがあるのを知ってるかな?
これを使えば、自分では見つけられなかった「掘り出し物」に出会えるかもしれない。
(複数会社から一括提案で効率UP!)
※無料で利用できます。しつこい営業電話は来ないのでご安心を。
【この記事を読んだあなたへ】 後悔しない土地探しを応援する!
私は25年間、不動産賃貸業とサラリーマン管理職として、
数多くの「住まい」と「人」を見てきました。
「住み心地の良い家」とは何か、その本質を追求し続けた結果、
たどり着いたのが「失敗しない土地選び」の極意です。
この経験と知識が、あなたの家づくりの力になれば幸いです。

コメント